白内障とは?
白内障とは、水晶体が加齢等の原因で濁る疾患です。
水晶体は、カメラのレンズのような働きをしている箇所で、近くにあるものを見る時は厚くふくらみ、遠くにあるものを見る時は薄く引き延ばされます。網膜にきちんと像が映るように調節します。
水晶体が濁ることによって光がうまく透過できなかったり、レンズが硬くなることによって調節する能力が失われたりして、網膜に鮮明な像が映せなくなり、視力低下が起こることを白内障といいます。
白内障手術方法・流れ
白内障手術方法
白内障の手術は、局所麻酔を用いて行います。大きな全身疾患や特別な理由がある場合は局所麻酔でないこともあります。
手術では、水晶体の中身である白く濁った核と皮質を取り除き、水晶体嚢という袋の中を空っぽにして、その袋に人工のレンズ(眼内レンズ)を挿入します。
- 白内障執刀医
ビッセン宮島弘子 - 日本白内障学会評議員
- 東京歯科大学水道橋病院眼科特任教授・名誉教授
- 研究分野 白内障、屈折矯正手術
白内障日帰り手術の流れ
術前説明
本院のおぎくぼ南口眼科にて診察、手術、注意事項の説明を行います。可能でしたら、ご家族とご一緒にお越しいただき説明を聞いてください。
当日ご来院
手術開始の1時間半位前にご来院し、受付してください。
受付後は、使い捨てガウン(手術着)へ着替えます。散瞳剤などの点眼や血圧測定を行います。お手洗は手術開始前までに行くようにしましょう。
※白内障手術は水曜日の14:00~17:30に行っております。来院時間、退院時間は順番によって異なります。開始時刻のご希望は遠慮なくお申し出ください。(ご希望に添えない場合もございますので、ご了承ください。)
点眼と状態の確認
受付していただきますと、ますは看護師が血圧等を測定します。患者様の状態が落ち着いているかを確認いたします。問題なければ、リカバリールームに入っていただきます。目薬(瞳を大きく広げる薬や抗生物質)を数回点眼し、待機していただきます。
手術開始
局所麻酔の目薬を点眼した後、手術室に入室していただきます。執刀医が眼内レンズを入れる手術を行います。
手術終了
手術所要時間は概ね10分程度で終了します。 事前の消毒、準備時間等含め、約10分〜15分で退室いただけます。
術後のご説明
手術終了後は、リカバリールームに移動していただきます。安静にしていただきながら、看護師が術後の生活や術後点眼・飲み薬などについてご説明いたします。
ご帰宅
体調や眼の調子を確認後、お会計‧ご帰宅となります。
術後について
診察
より良い視力を維持するために、手術後定期的な診察が必要になります。 ご来院は、手術翌日、翌々日、3日後、1週間後、その後1ヶ月間は週1回程度になります。
お薬
飲み薬は他院から処方された薬も一緒にお飲みください。痛い時には、痛み止め(頓服)が処方されていますので飲んでください。
目薬
点眼は手術当日より行ってください。回数等は指示通りに行ってください。
食事
手術前後は、飲食を控えてください。飲酒、喫煙は手術後1週間控えてください。
お風呂
- 手術当日はシャワー程度にしてください。目に水が入らないように気をつけてください。
- 翌日からは入浴していただいて大丈夫です。手術後2週間程度は熱いお湯や長湯を避けてください。
- 洗髪は、1週間程度お控えください。目に水が入らないよう、洗顔や洗髪は気を付けて行ってください。
その他
- テレビやスマホなどは、疲れない程度に使用してください。
- 手術後、目を強くこすったり、何かにぶつかったりしないように注意してください。
- 重労働、汚れ仕事、旅行、温泉、水泳等はお控えください。
手術費用
白内障手術は保険適用になります。眼内レンズの種類によって、健康保険が適用される眼内レンズと健康保険が適用されず白内障治療すべてが自費となる眼内レンズがあります。
保険適用外の治療を保険適用の治療と併せて受けることができる選定療養制度が「多焦点眼内レンズを用いた白内障手術」で認められました。
選定療養
選定療養とは、健康保険適用外の治療を保険適用の治療と併せて受けられる制度です。厚生労働省が認可した多焦点眼内レンズであれば、眼内レンズ費用は実費ですが、それ以外は健康保険が適用となります。
ただし、認可されていない多焦点眼内レンズの場合は、健康保険が適用されません。手術代、眼内レンズ代、薬代等、すべてが自己負担となります。
眼内レンズ
眼内レンズとは
- ⽩内障⼿術は、眼の中にある⽔晶体(レンズ)を摘出します。
- 摘出した⽔晶体(レンズ)のかわりに人工の⽔晶体(レンズ)を挿入します。
- 挿入する⽔晶体(レンズ)を眼内レンズといいます。
- 眼内レンズを挿入しないと、ピントが合わず、全体がぼやけて⾒えます。
単焦点眼内レンズ
単焦点眼内レンズは保険適用で扱える⼀般的なレンズです。眼内レンズの中では最も鮮明に見ることができます。ただし、ピントが1ヶ所にしか合わないため、近くか遠くかどちらかを選びます。選ばなかった方はピントが合わないため、眼鏡が必要になります。乱視の矯正するレンズもあります。
おぎくぼサージカルアイクリニックではテクニスアイハンス[ジョンソン&ジョンソン製]を導入しています。アイハンスは次世代型の単焦点レンズです。乱視の強い方にはアイハンストーリックをお勧めします。
同社の実績ある単焦点眼内レンズ『テクニス』ZCBを改良して、独自の高次非球面構造をもたせています。遠方の視力を維持したうえで、落ち込みすくなく中間視力まで保たれます。単焦点レンズのいいところは残しつつ、見える範囲を広げる事が出来るレンズといえます。
ただし、近方では視力が低下するため、老眼鏡は基本的に必要となります。条件の悪くなる、薄暗い環境下でも、視力・コントラスト感度がたもたれます。ハロー(明かりの周りに光の輪ができる)グレア(光が花火のように見える)は少なめなので、車の運転が多い方にも使っていただくことは可能です。医師とよくご相談下さい。
そして、一番のメリットが単焦点レンズ扱いですので、多額な多焦点レンズに比べて、患者様のご負担は変わらず保険診療の範囲で使えます。
多焦点眼内レンズ
多焦点眼内レンズは単焦点レンズとは違い、焦点が複数あります。遠方・近方の2種類の焦点を持つ2焦点眼内レンズや、さらに遠・中・近の3つ以上の焦点を持つ3焦点眼内レンズ等があります。
多焦点のレンズは、光を遠近に振り分けるために、遠近がある程度見えますが、少しぼやけ感が出たり “ハロ”や“グレア”といった夜間に光がにじんで見える可能性がある(個人差あり)レンズであり、私生活であまり眼鏡をかけたくない場合に適応となります。
多焦点レンズは選定医療適応となっているものと、自費での取り扱いになっているレンズがあります。
おぎくぼサージカルアイクリニックで取り扱っている
多焦点眼内レンズ
パンオプティクス(PanOptix)
※トーリックは乱視用
選定医療 対応 乱視矯正 対応
3焦点 近方・中間・遠方
アメリカのAlcon社の遠方・中間・近方(5m・60cm・40cm)に焦点を持つ3焦点レンズであり、2020年12月時点で唯一、国内承認の選定療養に対応している3焦点型多焦点レンズです。
光のエネルギーロスを少なくするようにデザインされたことで、従来の多焦点レンズに比べて、明るさの変化の影響を受けにくく、ハロ・グレアを少なくすることで自然な見え方が可能となりました。
パソコンやスマホの使用、料理、スポーツなどにより取り組みやすくなり、術後の患者様のQOL(生活の質)の維持・向上に繋がります。
ビビティ(Vivity)
選定医療 対応 乱視矯正 非対応
焦点震度拡張型 遠方・中間・実用的な近方
クラレオン ビビティ(Clareon Vivity)は、非回折型の焦点深度拡張型(EDOF)レンズで、 光学的ロスがほとんどない構造により、
- 遠方から中間、そして実用的近方距離まで切れ目なく見える
- 単焦点レンズと同等のコントラスト
- ハローグレア(光が滲んで見えたり、眩しく感じる)などの異常光視症が大幅軽減
といった見え方の「質」の良さが特徴です。遠くから実用的な近方距離までピントが合い、 夜間のまぶしい光もクリアに見えます。
よくある質問
Q.手術費用はいくらかかりますか?
A.おぎくぼサージカルアイクリニックでの手術は保険適用ですので、負担割合によって異なります。片眼につき、1~2割負担の方で18,000円、3割負担の方で60,000円程度です。選定療養の眼内レンズをご希望される場合のみ、追加料金がかかります。詳しくは当院までお問い合わせください。
Q.手術後どれくらい通院が必要ですか?
A.手術翌日、翌々日、3日後、1週間後、その後1ヶ月間は週1回程度ご来院ください。
Q.手術後車の運転はできますか?
A.手術後1週間は視力が安定しないため、運転は控えてください。術後1週間検診で医師の指示があれば運転可能です。